あれはもう15年以上前だと思う。
メールで来るスパムや迷惑メールは当時から多くて、現代のIT事情よりもサーバーセキュリティーが甘い時代。
私の管理下の自社サーバーでホスティングサービスを始め、2〜3年たった頃だったと記憶している。
今日のエピソードは、このスパムに関連した話。
このスパムメールへの対策として、当時は、件名が空のメール・ウイルスメールや特定のドメイン・IP拒否等への自己対策とした個別設定が主流。ウイルスソフトでの依存は、現在でも当然の事。私の場合、このホスティングサービスに連携したドメイン保守管理があった為、本来なら、件名が英文だけのメールは受信しないと言う選択肢があったが、それは出来ない環境にあった。
ある日、メールの受信をした時の事、件名が英文のメールをザザっと何件か受信した。毎日の事なので、簡単なセキュリティーを抜けて来たスパムメールもチラホラと横目で流し読みし、ガッとゴミ箱へ運ぶ。
ん?
その中の1通だけ、何だか読まなきゃいけない!って思ったメールがあった。
私は、英語は話せないし、もっぱらWEB翻訳派。しかし、HTMLやタグに関しての知識があるので構文は理解できた。
ウイルスソフトでの反応も無い。早速Google翻訳でメールの内容を知った。
何でも、ルチアと名乗る女性からのメールであった。
この時はどこの国の人かもわからないし、本当は男性かもしれないし、単なるイタズラメールかもしれなかった。私は半信半疑で本文の翻訳に目を通した。
簡単に書けば、徳永英明が大好きで、ネット検索からSATOMIN’S ROOMを見つけて感動したと言う内容だった。もっと徳永さんの事を教えて欲しい、、と嬉しくて涙したともあった。
普通なら素性のわからない相手への返信など絶対しないし、ましてや英文でのメールにどう返信すればいいのか。
あれこれ迷った挙句、短い翻訳英語で、ありがとうメールを返信してしまったのだ。
その翌日、早速の返信が!
そこで初めて、本当に存在する、ルチアと言う女性であると確認ができた。
彼女は中国の人で、田舎町で育ち、今は都会で仕事を持つキャリアウーマンだと言う事。
彼女の書くブログや職場での様子。日本に来て徳さんのツアーに参加したいと、切実に語っていた。本当に徳さんの事を思ってくれていた。私の書くツアーレポートの隅から隅まで、翻訳して読んでくれていたそうで、恐縮しごく。
ここで、何故、英語でのやりとりが必要だったのか。
まず、ルチアは英語が話せる事。第2に私の環境下では中国語フォントが無く、メールが送れない環境だった事。第3に、英語翻訳下で文字化けがない事だった。
しかしながら、当時は現在とは違う翻訳機能だったので、ヘンテコな翻訳を送信していた事もあったろう。ひょっとしたら、私の翻訳が通じていない場面もあったかもしれない。私の読んだ翻訳文も支離滅裂な事もあった。
この経験から、中国のネットインフラの凄さをも知る事もあった。
日本はフリーダム。どんなサイトだって自由自在。
そんな感覚で日本語の徳さん情報のURLを紹介してもルチアはアクセスできない事がほとんどで、日本との自由の格差を知ったのもルチアのお陰だ。
あの日、ルチアからのメールをスパムメールとしてスルーしていたら、こんな体験は出来なかったろう。あれほどのGoogle翻訳の活用も無かったろう。
彼女は、私にとって、初めてできたメール徳友さんだった。
その後、しばらくはやりとりがあったが、今はどうしているんだろうか。
そんなエピソード。
彼女は元気だろうか。浅草には行ったのかな。まだ徳さんを大好きで居て欲しい。
ルチア!私は元気だし、今だに徳ちゃんLOVEでいます。あなたは?